かつてのアメリカ禁酒法時代に生まれた隠れ酒場文化、いわゆるスピークイージーのスタイルが、現代の日本の夜を席巻している。書店や古着屋、あるいは何の変哲もない自動販売機の奥に隠された扉を開けると、そこには別世界のラウンジが広がっている。この仕掛けに満ちた体験価値が、知的好奇心の強い大人の心を掴んで離さない。
インバウンド需要の高まりと相まって、ナイトタイムエコノミーの活性化は都市政策としても注目を集めている。昼間の観光やビジネスだけでなく、夜20時以降のカルチャーシーンをどう豊かにするか。飲食業全体が人手不足やコスト高と格闘するなか、高付加価値な夜の体験を提供するバーは、街の魅力を引き上げるキープレイヤーとなっている。