突如として身体の自由が奪われる現象は、医学用語で「睡眠麻痺(Sleep Paralysis)」と定義されています。オカルト的な怪異ではなく、神経生理学に基づいた明確な金縛りの科学的根拠が存在します。
人間の睡眠は、脳が活発に働いて記憶の整理や夢を見る「レム睡眠」と、脳も身体も深く休まる「ノンレム睡眠」が約90〜120分の周期で繰り返されています。レム睡眠の最中、脳は夢の動きに合わせて身体が勝手に暴れ出さないよう、運動神経を遮断して全身の骨格筋を弛緩させる安全装置を作動させています。このレム睡眠と睡眠麻痺の仕組みにおいて、何らかの拍子に「脳の覚醒スイッチ」だけが先にオンになり、「筋肉の弛緩スイッチ」の解除が遅れた状態こそが金縛りです。意識はクリアなのに司令塔からの信号が筋肉へ届かないため、金縛り特有の金縛り状態が生じるわけです。