TOCビルのルーツを辿ると、日本の高度経済成長期における流通近代化の歴史そのものに行き当たります。1970年、ホテルニューオータニの創業者としても知られる実業家・大谷米太郎氏が率いる大谷グループの手によって、「東洋一の流通センター」を目指して建設されました。
延床面積約18万平方メートルというメガストラクチャーは、当時としては規格外のスケールを誇り、卸売機能、展示場、オフィス、商業施設を一つに融合させた先駆的な複合ビルでした。運営会社である「株式会社東京卸売センター」は、のちに商号を株式会社テーオーシーへと変更。親密な不動産管理会社である徳栄商事などとともに、品川・五反田エリアの街づくりを半世紀以上にわたり牽引してきました。
長い歴史の中で、アパレル業界のバイヤーが集うプロ向け卸売拠点から、一般消費者もお得に楽しめるショッピング&イベントスポットへと柔軟に役割を変化させてきた柔軟性こそが、今なお根強い支持を集める理由です。