多くの視聴者が抱いた「なぜ看板アナウンサーの座を捨ててまで退社したのか」という疑問。その根底には、40歳という人生の節目を迎えたことで芽生えた、キャリアに対する切実な危機感と使命感がありました。
桝さんは2011年4月の番組立ち上げから丸10年間にわたり『ZIP!』の総合司会を担当。毎朝の激務をやり遂げた後、2026年4月からは日曜夕方の報道番組『真相報道 バンキシャ!』のメインキャスターへ舵を切りました。この『ZIP!』卒業と報道へのシフトこそが、退社への大きな助走期間だったといえます。
新型コロナウイルスの世界的流行などを目の当たりにする中で、「科学的な正確さと、テレビ的な分かりやすさの狭間」に強いジレンマを感じていたという桝さん。メディアの現場で喋り手として伝える限界を痛感し、「一度現場を客観的に見つめ直し、科学を伝える仕組みそのものを科学的に研究したい」という思いが退社を決断させました。