日本のフレンチ界を牽引し続けてきた巨匠、三國清三シェフのレシピでもお馴染みなのが、魚の旨味を最大限に引き立てる本格的なバターソースだ。伝統的なフランス料理におけるムニエルは、香ばしく焦がしたバターの風味(ブール・ノワゼット)とレモンの酸味が織りなす立体的な味わいが真骨頂とされる。
フライパンに残った鮭の脂と旨味にバターを溶かし込み、細かな泡が立ってナッツのような香ばしい香りが漂った瞬間、レモン果汁を回しかける。この一瞬の手際が、家庭の焼き魚を洗練された一皿へと昇華させる。コクがありながらも後味は爽やかで、濃厚な味わいが口いっぱいに広がる。