Q1:禅智内供の鼻は、具体的にどれくらいの長さだったのですか?
A1:作中では「長さは五六寸(約15〜18センチメートル)あつて、上唇の上から下顎の下まで下つて居る」と描写されています。成人男性の顔の半分以上を覆い尽くすほどのサイズであり、形状は「元も先も同じやうに太い、云はば細長い鷓鴣菜(ソーセージ)のやうな物」と例えられています。
Q2:夏目漱石は芥川の『鼻』をどのように評価したのですか?
A2:夏目漱石は、芥川宛ての手紙で「大変面白いと思います。落着きがあつて、冗談ならぬ処に上品な趣向が這入つて居て、自然の味ひがある」と激賞しました。さらに「斯う云ふものをこれから二三十篇お書きなさい。文壇で比類のない作家になれます」と予言し、無名だった芥川が一躍脚光を浴びる契機となりました。
Q3:結末で鼻が元に戻ったとき、なぜ内供は喜んだのですか?
A3:鼻が短くなったことで、周囲から「弱みを克服しようと悪あがきした浅ましい僧」として露骨な嘲笑や嫉妬を向けられ、精神的に追い詰められていたためです。鼻が元に戻ったことで、以前の「表向きは敬われ、裏で同情される立場」に回帰することができ、周囲の意地悪な好奇の視線から解放されたと安心したからです。