江戸川乱歩『芋虫』歴代映画の衝撃!若松孝二版の配信と原作比較を解剖

江戸川乱歩『芋虫』歴代映画の衝撃!若松孝二版の配信と原作比較を解剖

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江戸川乱歩の『芋虫』をベースにした映像作品の中で、国際的にも極めて高い評価を受けた代表格が、2010年に公開された若松孝二監督の映画『キャタピラー』です。低予算のインディペンデント体制で制作された本作は、第60回ベルリン国際映画祭のコンペティション部門に出品され、主演の寺島しのぶが最優秀女優賞(銀熊賞)を受賞。日本人女優としては左幸子、田中絹代に続く35年ぶり史上3人目の快挙を成し遂げました。

本作で寺島しのぶが演じたのは、日中戦争で両手両足を失い、顔面を火傷で焼かれて帰還した「軍神」黒川久蔵(演:大西信満)の妻・シゲ子です。村中から称えられながらも、自宅では貪欲な食欲と性欲だけを剥き出しにする夫。シゲ子は軍神の妻としての世間体と誇りを保ちつつ、無力な肉体となった夫に対する加虐心と支配欲、そして戦争がもたらした不条理への絶望に引き裂かれていきます。

映画『キャタピラー』に対するネット上の評価や感想を見ると、「あまりに生々しく直視できない」「人間の尊厳が崩壊していく過程が凄まじい」といった戦慄の声が圧倒的です。若松監督は乱歩の耽美的なエログロナンセンスを換骨奪胎し、国家の狂気と個人の肉体を容赦なく対比させる重厚な反戦映画として結実させました。

山田 真由
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山田 真由

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