事件が単なる傷害致死事件から重大な凶行へと位置付けを変えた決定打は、暴行後の計画的な略奪行為にあった。容疑者グループは長谷さんからキャッシュカードを奪い取り、暗証番号を聞き出した上で、札幌市内のコンビニエンスストアなどのATMで現金を不正に引き出していた。この冷酷な一連の行動こそ、検察側が強盗殺人罪などの極めて重い罪名を視野に捜査を進めた核心である。
瀕死の被害者を極寒の公園に置き去りにしながら、奪った現金を分け合い、飲食や遊興に充てていたという事実は、捜査関係者をも戦慄させた。暴力行為そのものの興奮から、冷徹な利益追求へのシームレスな移行。ここには「トラブルの解決」などという名目は存在せず、無防備になった人間を徹底的に搾取し尽くすという冷酷な意図が透けて見える。報道の表層だけでは窺い知れない、犯行グループの道徳的麻痺がここに極まっていた。