菅氏の波乱万丈な政治人生を紐解くとき、1990年代半ばに厚生大臣として切り込んだ薬害エイズ問題の打開は絶対に外せない。官僚機構が隠し続けてきた汚染血液製剤の存在を明るみに出し、被害者へ深く頭を下げて謝罪したあの姿勢は、従来の日本政治・行政における官邸と官僚の主従関係を根底から揺さぶった歴史的瞬間だった。
その後、官僚政治を打倒して市民中心の政権交代を実現すべく、民主党の結党の中心人物として奔走。街頭に立ち続け、自公政権の対抗軸となる二大政党制の基盤を作り上げた。感情を露わにしながら理不尽な構造へ挑み続けた彼の歩みは、日本の現代政治史に消し去ることのできない太い足跡を刻んでいる。