官房長官として7年8ヶ月、そして首相として1年余り。まさに日本の中枢で行政の舵を取り続けた男の執務スタイルは、鬼気迫るものがあった。朝早くから官邸に入り、深夜まで政策協議を重ねる日々。その過密日程は、いかに頑健な肉体を持つ者であっても少なからずダメージを蓄積させる。
特に内閣官房長官時代の「1日2回の定例記者会見」は、緊張を極限まで維持する作業だった。退任後、一時的に肩の荷が下りたことで生じた緊張の糸の緩みが、一見すると「気力の低下」に見えた側面もある。政治ジャーナリズムの現場でも、極度の緊張から解放された政治家が一時的にやつれて見える現象はよく知られている。