半世紀以上にわたり、厚生労働省や医療機関は高血圧予防の名のもとに一律の減塩を呼びかけてきた。しかし、減塩加工食品がスーパーの棚を埋め尽くす一方で、慢性の不調に悩む日本人は減るどころか増え続けている。このパラドックスに対し、予防医学の現場からは「塩そのものを排斥した結果、生命維持に必要な微量元素まで体から削ぎ落とされた」と懸念する声が上がる。
化学的に塩化ナトリウムだけを抽出した精製塩と、海水に含まれる70種類以上の微量ミネラルをそのまま抱え込んだ自然塩。この両者を等しく「悪」とみなして遠ざけたことが、現代人の深刻な「ミネラル飢餓」を引き起こした一因ではないか。体内の電解質バランスや細胞の代謝を司る微量元素の不足は、知らず知らずのうちに自己治癒力を低下させている。