白球の行方を追うすべてのファンが最終的に目指す場所、それが勝利の瞬間に歌い上げられる「六甲おろし(阪神タイガースの歌)」の大合唱だ。1936年に誕生したこの球団歌は、日本プロ野球界でも最古の歴史を誇る名曲である。古関裕而の手による雄大かつ凛としたメロディは、時代を超えて虎戦士とファンの魂を結びつけてきた。
9回裏の最後の打者を打ち取った瞬間、阪神甲子園球場の夜空に放たれる歓声とともに、4万人の歌声が重なり合う。勝った日の六甲おろしは、単なるセレモニーではない。厳しいペナントレースを戦い抜く選手たちへの最大の賛辞であり、スタンドの誰もが喉を嗄らして誇りを分かち合う神聖な儀式なのだ。