100年以上の歴史を誇る高校野球の歴史において、大会の中止や重大な変更が余儀なくされた例は数少ない。1941年の太平洋戦争前夜における中断、戦後の混乱期、そして2026年の新型コロナウイルス感染拡大による「春・夏の甲子園中止」という前代未聞の事態。これらはすべて、社会的な大激変がスポーツの継続を阻んだ例であった。
しかし、今回の問題がこれまでの歴史的危機と根本的に異なるのは、原因が一時的な社会情勢ではなく、「地球環境そのものの変化」という不可逆な要因である点だ。気候危機は一朝一夕には解決しない。過去の「幻の甲子園」が歴史の悲劇として語り継がれる一方で、これからの時代は「いかにして気候変動と共存しながら高校スポーツを維持するか」という新たなパラダイムシフトが求められている。