加藤茶さんの経歴を語る上で欠かせないのが、音楽家・ドラマーとしての卓越した才能です。ザ・ドリフターズは元々本格的なコミック・バンド(音楽バンド)としてスタートしており、いかりや長介さんをはじめとするメンバー全員がプロの演奏技術を持っていました。その中でリズムセクションの要を務めたのが、若き日の加藤茶さんでした。
その実力を証明する歴史的舞台が、1966年に開催されたザ・ビートルズの日本武道館公演です。ドリフターズは前座としてステージに立ち、加藤茶さんは猛スピードのロックンロール・ナンバー「ロング・トール・サリー」で見事なドラムプレイを披露しました。スティック回しなどの派手なパフォーマンスを交えつつ、正確無比なリズムキープとダイナミックなビートを刻む姿は、当時の一流ジャズドラマーたちからも「天才肌」と絶賛されていました。この強固なリズム感と間合いの良さが、のちのコントにおける天才的なコメディセンスの土台となったのです。