良かれと思って実行したお手入れが、機器の寿命を縮めたり家族の健康を害したりする「逆効果な掃除」に陥っているケースが後を絶ちません。現場の家電修理エンジニアや衛生指導員への取材から見えてきた、3大NG行為を暴露します。
NG行為1:塩素系漂白剤(キッチンハイターなど)をタンクに入れてつけ置きする
カビ取りといえば塩素系漂白剤が頭に浮かびますが、加湿器の内部パーツに次亜塩素酸ナトリウムを使用することは原則厳禁です。金属部品の腐食を招いて水漏れや故障の原因になるだけでなく、樹脂パーツに塩素成分が残留し、運転時に有害な塩素ガスとなって室内に揮発・飛散する危険性があります。漂白・除菌を行う際は、前述のオキシクリーンに代表される「酸素系」の選択が必須条件です。
NG行為2:熱湯をタンクに注ぎ込んで煮沸殺菌しようとする
スチーム式以外の加湿器タンクやトレイは、ABS樹脂やポリプロピレンなどのプラスチックで作られており、耐熱温度は一般に60℃前後に設定されています。ここに熱湯(80〜100℃)を注ぐと、タンクが熱変形を起こして給水口のパッキンが噛み合わなくなり、大惨事となる水漏れ事故を引き起こします。殺菌効果を狙う場合でも、ぬるま湯の温度は必ず40〜50℃以下に留めなければなりません。
NG行為3:水道水ではなく「ミネラルウォーター」や「浄水器の水」を使う
「機械のために良い水を使いたい」という親心から、高価なミネラルウォーターや浄水器を通した水を入れる人がいますが、これは衛生学的に最も危険な誤解です。日本の水道水には、水道法によって1Lあたり0.1mg以上の遊離残留塩素を保持することが義務付けられており、この微量な塩素こそが常温下での雑菌増殖を物理的に防いでいます。塩素を取り除いたピュアな水やミネラル豊富な水は、菌にとって最高の栄養源であり、半日も経たずに雑菌の数が数千倍に跳ね上がります。メーカー各社が取扱説明書で「必ず水道水を使用してください」と明記しているのは、この絶対的な安全上の根拠に基づいています。