事件発生から約3年の潜伏期間を経て2026年4月に逮捕された須藤早貴被告は、勾留期間中も一貫して事件への関与を否定し続けてきました。和歌山地裁で開かれた裁判員裁判において、法廷に姿を現した須藤被告はかつての派手な装いから一変し、黒いスーツにマスク姿、落ち着き払った態度で証言台に立ちました。
検察側は、致死量を超える覚醒剤を野崎氏が自ら経口摂取することは極めて不自然であり、当時二人きりの時間帯が存在したこと、直前にスマートフォンで覚醒剤や完全犯罪に関するワードを検索していたことなどから、須藤早貴の動機は遺産目当ての計画殺人であると主張しました。
一方で、弁護側は「致死量の覚醒剤を無理やり飲ませた証拠はない」「野崎氏自身が精力剤と誤認して自ら摂取した可能性や自殺の線も否定できない」と全面無罪を主張。目撃者や物証といった決定打を欠く中、裁判所が積み上げられた間接事実をどう評価するのか、紀州のドンファン裁判の判決は日本の刑事司法における状況証拠の限界を問う極めて重要な判断として注目を集めています。