紀藤弁護士が旧統一教会をはじめとするカルト宗教問題に挑み続ける最大の動機は、「信教の自由の悪用によって個人の尊厳と財産が破壊される理不尽を許さない」という強固な法治主義の哲学にあります。
かつて刊行された著書『マインド・コントロール』や特番インタビューにおいて、紀藤弁護士は「カルト被害の本質は、巧妙な心理誘導によって本人の自己決定権を奪い、自発的に全財産を差し出させたり家庭を崩壊させたりする点にある」と告白しています。通常の民事詐欺とは異なり、被害者自身が「神のため、先祖の因縁を解くため」と信じ込まされているため、家族関係の断絶や深刻な孤立を招きます。
活動初期の1990年代には、事務所や自宅に対する執拗な無言電話、尾行、脅迫状の送付、さらには放火予告といった危険に直面しました。公の場で見せる冷静沈着な語り口の裏には、文字通り「命懸けで依頼人を守り抜く」という過酷な現場経験の積み重ねが存在します。