日本の牡蠣文化を支える二大巨頭、それが真牡蠣と岩牡蠣である。冬から春にかけて甘みと旨味をぎゅっと凝縮させる小ぶりな真牡蠣は、引き締まった身と繊細な味わいが特徴だ。一方、夏に旬を迎える大ぶりの岩牡蠣は、ジューシーで濃厚な「海のチーズ」とも称されるクリーミーな質感を誇り、圧倒的な存在感で食卓を魅了する。
これらふたつの個性を正しく理解し、季節ごとの一番美味しい時期に味わうことこそ、本当の贅沢と言えるだろう。日本オイスター協会などの専門機関による啓蒙活動もあり、産地や品種による味わいのグラデーションを楽しむ消費者が急速に増えている。四季の移ろいに合わせてグラスを傾け、二種類の特長を贅沢に食べ比べる体験は、日本ならではの至高の愉しみだ。