関西芸能界の最高峰ポストの一つである吉本新喜劇の座長。その待遇や就任条件には、一般にはあまり知られていない厳しい現実と夢が存在します。
まず吉本新喜劇座長の年収・ギャラ事情ですが、一般座員と座長クラスでは報酬体系が大きく異なります。若手や中堅座員は基本的に「1公演あたりの出演ギャラ」がベースとなり、舞台数に応じた完全歩合制です。しかし座長に昇格すると、公演ごとの手当に加えて「座長手当」や全体の構成に関わる拘束手当が支給されます。
さらに、座長クラスになると関西ローカルのレギュラー番組、全国ネットのバラエティ出演、企業CM、地方営業や全国ツアーの座長公演などの大型案件が急増します。これにより、トップ座長の年収は推定2,000万〜5,000万円以上に達するとされ、全盛期の小籔千豊やすっちーのように東京のメディアでも冠番組を持つクラスであれば、1億円前後に達していた時期もあると見られています。
では、どのような人物が座長に選ばれるのか。座長の就任条件には明確な資格試験があるわけではありませんが、劇団内では以下の3要素が絶対条件とされています。
1つ目は「圧倒的な集客力と看板ギャグ」。劇場のチケットを完売させられる知名度と求心力です。
2つ目は「脚本と舞台構成を統括する演出力」。新喜劇は毎週台本が変わり、座長は作家とともに物語の流れやボケとツッコミの配分を決定します。
3つ目は「座員を束ねる人望と育成能力」。ベテランから若手まで数十名の座員に均等に見せ場を与え、劇団全体の士気を高める器量が不可欠です。これらすべてを満たした選ばれし芸人のみが、座長の椅子を勝ち取ることができます。