危機を乗り越えた新喜劇で、1990年代の黄金リバイバルを牽引したのが内場勝則、辻本茂雄、石田靖の3人だ。やがて1999年に正式な座長制度が再整備され、内場、辻本、吉田ヒロの3名が座長に就任。長年培われた上方喜劇・演劇興行の様式美を継承しながら、テンポの速い現代的な笑いを融合させた。
卓越したツッコミとアドリブ処理で舞台全体を調和させる内場勝則。強烈なキャラクター「茂造じいさん」を生み出し、予測不能なハプニングと迫真の演技で劇場を沸かせた辻本茂雄。二人の異なるアプローチは、なんばグランド花月の日々の興行に圧倒的なバリエーションをもたらした。
座長は単なる主役ではなく、若手座員の個性を引き出し、ゲスト俳優やベテランを活かす「舞台監督」としての手腕も求められる。内場や辻本が確立したこのプロデューサー的座長像が、後進の世代にとっての揺るぎない指針となった。