深夜の突然の呼び出しに即座に応じ、相手の好みに合わせて自分を塗り替えていく。端から見れば「都合のいい女」に過ぎないテルコの行動パターンは、現代で言うところの「沼る(特定の相手に深くハマり抜け出せなくなる状態)」の極致だ。
だが、視聴者や読者は彼女を単純な被害者としては見られない。テルコ自身が、自分が相手の一番になれないことを痛烈に理解した上で、その歪んだ関係を自ら選択しているからだ。客観的な正論やアドバイスが一切通用しないこの痛々しい心理は、誰かを過剰に愛してしまった経験を持つすべての人間にとって、目を背けたくても背けられない鏡のような役割を果たしている。