こうした厳しい事業環境のなかでも、驚異的な従業員定着率を実現し、求人応募が殺到する先進的な事業所が存在する。それらの組織に共通しているのは、従来の根性論を完全に排した職場構造の再設計だ。
最たる例が、ICT端末や介護ロボット、インカムの全面導入による業務の削減である。手書きによる記録業務をデジタル化し、伝言ミスや重複作業を根絶。確保した時間で本来の直接ケアや職員同士の対話に注力できる環境を整えた。厚生労働省公式YouTubeチャンネルなどで公開されている優良事例の映像でも、こうしたテクノロジーの活用が職員の離職防止に大きく寄与していることが確認できる。
さらに、評価制度の透明化とキャリアパスの可視化も不可欠だ。「頑張りが正当に給与やポジションへ波及する」という納得感こそが、職員の心理的安全性を高め、長期的な勤務意欲を支える強力な基盤となる。