多言語国家スイスにおいて、英語は公式な国家の言語ではない。しかし、異なる言語領域の住民同士が対話する際、ドイツ語圏の住民とフランス語圏の住民が共通言語として英語を選択するケースが近年激増している。地域ごとの言語対立を避ける中立的な緩衝材として、英語が機能している実情がある。
彼らの語学習得法は、日本の教室で見られるような暗記中心の学習とは一線を画す。幼少期から複数の言語が日常に交錯する環境で育つため、未知の言語に対する心理的ハードルが極めて低い。完璧な文法を組み立てる前に、目の前の相手とコミュニケーションを成立させる根底的なメンタリティが培われているのだ。