上位の妃たちが猫猫に簪を授けた背景には、感謝の念と同時に後宮特有の政治的プロテクトが存在する。翡翠宮の主である玉葉妃は、己の命と愛子の危機を救った猫猫を自身の「お気に入り」として明示するために簪を渡した。これにより、後宮内の他部署や格下の妃たちが不当に猫猫を虐げることが不可能となる。
一方、かつて猫猫の助言によって命を拾った水晶宮の梨花妃もまた、過剰なほど立派な簪を贈呈している。そこには過去の誤解に対する贖罪と、純粋な感謝、そして「この者は水晶宮の後援を受けている」という強いメッセージが込められていた。一枚の簪が、陰惨な毒殺や嫉妬が渦巻く後宮で命を守る絶対的な盾となったわけだ。