六甲八幡神社の創建は平安時代後期にさかのぼる。当時、大輪田泊(現在の神戸港)の発展とともに、海上交通の安全を祈願する場として建立されたとの記録が残る。応神天皇を主祭神とする八幡信仰は武家社会で広まったが、この地では海運業者や漁師たちの信仰を集めた。
鎌倉時代には源氏一門の庇護を受け、境内が拡張された。室町期の文献には「摂津国八幡宮」として記載され、地域の総鎮守としての地位を確立していたことがわかる。江戸時代には灘五郷の酒造業者たちが参詣し、商売繁盛の祈願所としても知られるようになった。
明治維新後の神仏分離令により、境内にあった仏教施設は撤去されたが、神社そのものは存続。阪神淡路大震災では社殿に被害を受けたものの、地域住民の寄付により1997年に本殿が再建された。この時、多くの参拝者が「お守りに守られた」との証言を寄せたという。