「窓もドアも閉め切っていたのに、エアコンの風に乗ってゴキブリが落ちてきた」という被害相談は、害虫駆除の現場において夏場を中心に後を絶ちません。エアコンと屋外をつなぐ開口部は、大きく分けて「冷媒管・電線を通す配管穴」と「結露水を排水するドレンホース」の2系統が存在します。
なぜ害虫はエアコン経路を好んで選ぶのか。その理由は、ドレンパン(エアコン内部の水受け皿)からホースにかけて滞留する「湿気」、内部に付着したカビやホコリという「餌」、そして外敵から身を隠せる「暗小空間」という、害虫の生存に適した3大条件が完璧に揃っているためです。
特に成虫のチャバネゴキブリやクロゴキブリの幼虫、ムカデ、ハサミムシなどは、わずか数ミリの隙間があれば難なく潜り込みます。一般住宅で多用されるドレンホースの内径は約14mm〜16mmであり、害虫にとっては障害物の一切ないトンネルに他なりません。
さらに見落とされがちなのが、外壁側のエアコン配管カバー(スリムダクト)の内部です。カバー自体は雨風を凌げる構造になっているため、内部にアシナガバチやヤモリ、クモが巣を作るケースが頻発しています。カバー内を通る配管の壁貫通部に隙間があれば、そこから容易に室内の壁内・室内機裏側へと害虫が侵入してしまいます。