アートギャラリーそのものがひとつの巨大な芸術作品であることも、同館を訪れる大きな醍醐味です。設計を手掛けたのは、日本の近代建築界を代表する名匠・柳澤孝彦(TAK建築研究所)。隣接する新国立劇場とともに、都市とアートが調和する有機的な大空間を見事に創出しました。
ギャラリー内部の最大の特徴は、3階展示室奥に広がる高さ約6メートルの吹き抜け大空間と、天井から降り注ぐ柔らかな自然光です。開閉可能なルーバーによって光の量が緻密にコントロールされ、展示される作品のスケール感や質感を最大限に引き立てます。
コンクリートの端正な質感と木材の温もりが絶妙に調和した回廊を歩くだけで、日常の喧騒から切り離された心地よい没入感を味わえます。建築ファンであれば、天井高の変化によるドラマチックな空間遷移や、計算し尽くされた視線の抜け感にもぜひ注目してみてください。