週刊誌やネットニュースなどの既存メディアもまた、このネット上の熱狂を静観することはなかった。SNS発の疑惑を裏付け取材なしに「噂のまとめ」として再生産し、ページビューを獲得する手法が横行した。一次情報が曖昧なままニュース記事として仕立て上げられることで、噂は公の「事実」であるかのような錯覚を視聴者に与えた。
メディアの役割は事実の検証にあるはずだ。しかし、スピード感とインプレッションが最優先されるデジタル空間では、裏取りの甘い記事が大量に流布し、対象者の名誉や人権が後回しにされるケースが後を絶たない。この問題は、現代のジャーナリズムが直面する最大の倫理的課題の一つとして残されている。