二人の出会いは、花が通っていた大学の講義室でした。教科書を持たず、熱心にノートを取る彼の姿に花が興味を持ったことから交流が始まります。やがて距離を縮めた彼は、自らの正体がオオカミであることを告白。花はその秘密を恐れることなく、ありのままの彼を深く愛することを選びました。
この「彼」という寡黙で包容力に満ちたキャラクターに命を吹き込んだのが、実力派俳優の大沢たかおです。決して口数は多くないものの、低く温かみのある声のトーンが、孤独を抱えて生きてきた男の哀愁と、花に向けられる深い愛情を見事に表現していました。
大沢たかおの抑えた芝居があったからこそ、短い登場時間でありながら、お父さんという存在は観客の心に強烈な存在感を刻み込み、その後の花の生き方に説得力を与え続けています。