事件が長期未解決化するにつれ、ネット掲示板やSNS上では事実に基づかない無責任な「考察」や「関係者への疑惑」が拡散される事態が生じました。
特に槍玉に挙げられたのが、「家族の証言の信憑性」や「近隣住民の関与説」といった根拠のないデマです。事件直後に家族がメディアの取材に応じた際の表情や言葉遣いを切り取った悪意ある動画の拡散、さらには「近隣に住む不審人物が匿っているのではないか」といった無実の個人に対する誹謗中傷が多発しました。
犯罪心理学者やメディア社会学の専門家は、こうしたネット私刑(ネットリンチ)の背景について、次のように分析しています。
「あまりにも不可解で手がかりのない事件に直面した際、人間は『認知的不協和』を解消するため、身近で目立つ対象に無理やり悪役(犯人像)を仕立て上げて納得しようとする心理が働きます。白昼の完全な消失という不条理を受け入れられない不安が、近親者や目撃者への謂れのない疑いへと転嫁されてしまうのです」
警察は事件初期の段階で家族や近隣住民に対する徹底的なアリバイ確認や事情聴取を行っており、身内や無関係の第三者が関与した事実は一切確認されていません。ネット上で囁かれる「内輪の犯行説」は、完全な事実無根のデマであることが警察の公式見解からも明確になっています。