「ものを買って終わり」のアンテナショップは過去の遺物になった。そう感じさせる空間づくりが、ここには徹底されている。
店内を足早に巡るだけでは、この場所の神髄は味わえない。1階のショップエリアには、長野県内各地から厳選された食材や加工品が整然と並ぶが、そのディスプレイは美術館のキュレーションを思わせる洗練度だ。リンゴひとつを取っても、時期ごとに異なる品種がずらりと並び、甘みや酸味のスペックだけでなく、標高や土壌、生産者のこだわりを示すストーリーテリングが添えられている。訪れた人は単に買い物をしているのではなく、信州の豊かな風土を味わう旅の第一歩を踏み出しているのだ。