生きた樹木を支える骨格そのものも、ドラスティックな変革を遂げている。国産材を活用したCLT(直交集成板)と低炭素コンクリートを組み合わせたハイブリッド構造が標準化し、建材としての木と、生命としての木がシームレスにつながる建築が主流となった。
構造体に使われる木材は炭素を半永久的に固定し、外周部を覆う生きた樹木は日々のCO2を吸収し続ける。建築物のライフサイクル全体におけるカーボンネガティブの達成が、もはや絵空事ではなく現実的な数値目標として計上されているのだ。
さらに、建物の経年変化に対する価値観も様変わりした。竣工時が最も美しく、時間とともに劣化していく従来の不動産観から、樹木の成長とともに陰影が深まり、10年後、20年後にこそ完成へと近づく「育てる建築」への共感が広がっている。