看護師専用のWebコミュニティやSNS上には、「ベテラン医師がカルテに『本日IVH抜去』と記載していたが、輸液の中止なのかカテーテル自体の抜去なのか判断できず青ざめた」「申し送りで先輩がIVHとCVCを同じ文章内で混在させて使っておりパニックになった」といった切実な投稿が散見されます。
現場の実態調査を行うと、卒後20年以上の指導医層では「長年の慣習としてIVHという呼称が口をついて出てしまう」ケースがいまだに確認されます。一方で、医療安全管理室が厳格に機能している大学病院や地域中核病院では、電子カルテのオーダーシステム上から「IVH」の文字を完全に削除し、処置オーダーは「CVC挿入」、薬剤オーダーは「TPN基本液投与」と完全にシステム分離する運用が定着しました。
また、CVC挿入部位の選定に関しても、現場の緊張感は高まっています。穿刺部位ごとの特性を把握することは看護師にとっても必須のリテラシーです。
- 内頸静脈(IJ):穿刺の成功率が高く気胸のリスクが鎖骨下に比べて低いが、首の可動によりドレッシング材が剥がれやすく患者の違和感が強い。
- 鎖骨下静脈(SC):体動によるズレが少なく衛生管理が容易な反面、熟練した手技を要し気胸・血胸という重篤な合併症リスクを伴う。
- 大腿静脈(Femoral):緊急蘇生時や他部位の穿刺困難時に選択されるが、排泄物に近く鼠径部の湿潤環境からカテーテル関連感染率が有意に跳ね上がるため早期抜去が鉄則。