国内で法的手続きが取れない中、苦痛から逃れる最後の手段としてスイスでの安楽死(自殺幇助)を選択する日本人が実在します。スイス刑法第115条は「利己的な動機がない限り自殺幇助は処罰されない」と定めており、「ライフサークル」や「ペガソス」といった非営利団体が外国人患者の受け入れを行っています。
しかし、スイスへの渡航は決して安易な道ではありません。渡航者には莫大な費用と極めて厳格な審査手続きが課されます。
身体機能が著しく衰えた状態で長時間の国際線を移動する負担は計り知れず、途中で容態が急変して渡航を断念するケースも少なくありません。また、同行した家族が日本帰国後に自殺幇助の嫌疑で事情聴取を受けるリスクや、最期を異国の地で見送らざるを得ない精神的葛藤など、残された遺族への負荷も極めて重いのが実情です。