iPhoneとAndroidで絵文字の見た目が異なる最大の理由は、「文字コードの規格(Unicode)」と「各プラットフォームが独自に開発したフォントデザイン」が分離していることにあります。文字コードの世界規格を策定するUnicode Consortium(ユニコードコンソーシアム)は、「この番号(コードポイント)は『笑顔』を表す」という概念的な定義のみを決定しています。
そのコードを受け取った端末側で、実際にどのような色・陰影・表情のイラストとして画面に描画するかは、Apple(iOS)やGoogle(Android)といった各OSベンダーのデザイナーに委ねられています。そのため、同じ「ピストル」の絵文字であっても、Appleがいち早く緑色の「水鉄砲」デザインに切り替えた一方、他社がリアルな拳銃のまま据え置いていた時期があるなど、企業ごとの倫理規定やデザインガイドラインの違いがそのまま表示の違いに直結してきました。
GoogleとAppleの絵文字仕様の違いは、単なる画風の差にとどまりません。目線の角度や口元の開き具合、汗の量といった細部のニュアンスが異なるため、送信側が「軽い冗談」のつもりで送った絵文字が、受信側では「冷笑」や「強い困惑」に見えてしまうというコミュニケーション上のズレを引き起こす原因となっています。