iPhoneのカメラモジュール内部では、目に見えないミクロの攻防が繰り広げられている。キーコンポーネントを担うソニーグループの最先端イメージセンサー技術と、Appleが磨き上げた磁気アクチュエータの融合だ。従来のレンズシフト方式と異なり、センサー自体が毎秒数千回もの頻度でX軸・Y軸・回転軸へと微細にシフトし、手の震えを相殺する。
静止画であるデジタル写真の領域では、この仕組みが夜景撮影時のシャッター開放時間を稼ぎ出し、ノイズのないクリアな一枚をもたらす。だが動画となると話は別だ。ハードウェアの物理的制約を超えた揺れが加わった瞬間、センサーシフト光学式手ブレ補正はジャイロスコープの角速度データと連動し、電子的なクロップ処理へとシームレスにバトンを渡す。このハードとソフトの緊密な連携こそが、他社製デバイスと一線を画す滑らかさの正体である。