森英恵の成功を語る上で避けて通れないのが、夫である森賢(けん)の存在だ。元繊維会社社長の息子であり、自身もビジネスの才覚に長けていた彼は、英恵の才能を誰よりも早く見抜き、プロデューサー兼経営者として彼女を支え続けた。
「妻にはデザインに専念させ、自分がビジネスを仕切る」。この明確な役割分担が、ドメスティックなブランドだったハナエ・モリを、パリ・オートクチュール組合にアジア人として初めて加盟させる原動力となった。夫婦であり、最強のビジネスパートナー。彼らの築いた信頼関係こそが、一族の繁栄の礎石である。