大人のインフルエンザにおいて最も相談が多いのが、「会社を何日休むべきか」「会社から診断書の提出を求められたらどうすべきか」という労務上の問題です。
前提として、学校保健安全法のような国家的一律の出席停止規定は、一般企業の労働者には直接適用されません。労働安全衛生法第68条では「病者の就業禁止」が定められていますが、これは活動性結核などの特定の感染症を主に対象としており、季節性インフルエンザに対して国が一律の就業禁止を命じる規定はありません。したがって、大人の出勤停止期間は「各企業の就業規則」によって定められます。
厚生労働省のガイドラインや公衆衛生の観点から、現代の日本企業の多くは「発症後5日経過、かつ解熱後2日経過」という学校基準に準じた特別休暇(有給または無給の病気休暇)制度を整えています。
また、会社への診断書提出義務についても見直しが進んでいます。厚生労働省は医療機関の逼迫を防ぐ目的から、インフルエンザからの復帰に際して「治癒証明書」や「陰性証明書」の提出を一律に求めることを控えるよう企業側に要請しています。多くの企業では、病院の領収書や処方箋、調剤明細書の写真提出をもって代行可能とする運用が定着しています。診断書の発行には3,000円〜5,000円前後の自費費用がかかるため、勤務先の総務・人事部へ事前に代替書類で問題ないか確認することが賢明です。