インフルエンザ発症時、患者本人の入浴タイミングと手順には明確なルールが存在する。感染症専門医の知見をもとに構築された感染予防プロトコルを守れば、家庭内感染のリスクを劇的に下げることが可能だ。
大原則として、38度以上の高熱がある時期や悪寒、倦怠感が強い急性期の入浴は厳禁だ。体力を消耗するだけでなく、浴室でのヒートショックや転倒事故を招く。熱が下がり、本人の自覚症状が落ち着いたタイミングで初めて入浴を検討する。
その際、必ず徹底すべき手順は以下の通りだ。
まず、入浴順序は「感染者を最後」にする。健康な同居家族が全員入り終えた後、一番最後に感染者が入る。これにより、空間内に浮遊する病原体を家族が吸い込む機会を物理的に遮断できる。
次に、入浴時間はシャワーを中心に最短(10分以内)で済ませること。浴槽に浸かる場合でも、湯船の中で顔を洗ったり潜ったりする行為は避け、湯の飛沫が周囲に飛び散らないよう細心の注意を払う。
入浴直後の処置も極めて重要だ。感染者が浴室を出た直後、シャワーの熱湯(50度以上)または塩素系除菌スプレーで、触れた可能性のあるカラン、レバー、シャワーヘッド、椅子、洗面器をくまなく洗い流す。この一手間を怠ってはならない。