経済成長が著しいインドネシアのビジネス現場では、礼節を重んじるジャワ文化の伝統が色濃く残っています。インドネシア語挨拶ビジネスにおける最大のポイントは、単に「スラマッパギ」と述べるだけでなく、相手の役職や性別に応じた「敬称」を必ず付与することです。
男性に対しては「Bapak(バパッ、口語ではPak/パッ)」、女性に対しては「Ibu(イブ、口語ではBu/ブ)」を用います。例えば、取引先のスディルマン氏(男性)に朝挨拶をする際は、「Selamat pagi, Pak Sudirman.(スラマッ パギ、パッ スディルマン)」と呼びかけるのがビジネスパーソンとしての基本プロトコルです。この敬称を省略して名前だけで呼ぶと、無作法で配慮に欠ける印象を与えかねません。
また、商談終了時やオフィスを退出する際のインドネシア語さようならにも配慮が必要です。見送る側が使う「Selamat jalan(スラマッジャラン)」と、立ち去る側が使う「Selamat tinggal(スラマッティンガル)」の厳密な使い分けが存在しますが、ビジネスの現場ではやや重々しく響くケースがあります。実務上は、次回の再会を期する表現である「Sampai jumpa lagi(サンパイ ジュンパ ラギ=またお会いしましょう)」や「Mari(マリ=それでは失礼します)」を使うと、軽快かつ誠実な印象を残せます。