ではなぜ、「やらせ」という単語がこれほどまでに一人歩きしてしまったのか。その背景には、バラエティ番組としての演出手法と、視聴者が期待するドキュメンタリー性との摩擦がある。テレビ番組制作業界では、限られた放送時間内に物語の起承転結を収めるため、緊迫したナレーションや効果音、特定の場面の強調といった編集が施される。
『イッテQ!』は純粋な記録映画ではなく、エンターテインメント性を重視したドキュメンタリーバラエティだ。笑いを誘うコミカルな編集や、極度の疲労を大袈裟に表現する演出が組み込まれることで、一部の視聴者には「どこまでが本気なのか分からず、ヤラセ臭く感じる」という印象を与えてしまった。演出と偽装の境界線に対する感度は、時代とともに厳しくなっている。