情報が氾濫するWEB空間では、メンズカラーに関していくつかの重大な誤認が定着している。現場の取材から浮き彫りになった代表的な2つの盲点を是正しておきたい。
一つ目は、「紫シャンプーを使えばどんな髪でも白っぽいミルクティー色になる」という誤解だ。紫シャンプーはあくまで「14〜15レベル以上に脱色された髪の黄色味を補色で打ち消す」ためのメンテナンス剤である。ブリーチなしの8レベル程度の髪や、ブリーチ1回でオレンジみが強く残った髪にいくら紫シャンプーを使っても、黄ばみを消す効果はほとんど発揮されない。ベースがオレンジ寄りの場合は、紫ではなく「シルバーシャンプー」や「アッシュシャンプー」を選択しなければ意味がない。
二つ目は、「グレージュ=色落ちすると緑色になる」という都市伝説だ。これはかつて、日本人の黄ばんだ髪に青みの強いアッシュを過剰に入れた結果、黄色+青色=緑色に濁ってしまった過去のケミカル事故に起因する。近年のカラー剤はベージュのアンダートーン補正が精密に計算されており、適切な補色(微量のバイオレットやピンク)を配合して調合されていれば、緑に変色することはまずない。仕上がりが濁るのは、施術者の薬剤選定ミスか、退色時にプール等の塩素に過度につかった例外的なケースに限られる。