『仮面ライダークウガ』に登場する敵組織・グロンギの目的は、一定のルール下で人間を殺戮する「ゲゲル」の完遂にある。その中でも「ゴ集団」に属するヤマアラシ種怪人の手口は、他の怪人たちとは一線を画していた。物理的な即死ではなく、標的となった人々に「死のカウントダウン」を与え、精神的に追い詰め破滅へと誘導していく過酷な心理的拷問の手口だったからだ。
ターゲットに選ばれたのは、多感な時期にある90人の中学生たち。黒い針を脳内に直接打ち込み、数日後に脳出血を引き起こして死に至らしめるという凄惨な設定は、当時のテレビ放送としても極めて過激な挑戦だった。犠牲者が恐怖のあまり自ら命を絶とうとする描写まで容赦なく盛り込まれたこのエピソードは、特撮という枠組みを完全に超えた純度の高いサスペンスドラマとして制作されていた。