日本の苗字が加速度的に種類を減らしている最大の要因は、現行の法律が義務付ける「夫婦同姓制度」と、日本全体を覆う「未曾有の人口減少」というふたつの歯車が噛み合ってしまったことにある。
日本の民法では、結婚する際に夫婦のどちらか一方の姓を選択しなければならない。現実には9割以上のカップルが男性側の姓を選択しているが、重要なのは「結婚のたびに必ずひとつの苗字がその家系で選択されなくなる」という点だ。数世代にわたってこのプロセスが繰り返されると、統計学的に人口の多い上位の苗字へ集約され、マイナーな苗字は次々と途絶えていく。
2026年現在の意識調査データを検証しても、苗字の選択肢が狭まることへの危機感や、自身のアイデンティティ消失に対する不安を口にする若年層は確実に増えている。少子化によって「一人っ子同士の結婚」が当たり前となった今、家系とともに苗字が途絶えるスピードは従来の予測をはるかに上回るペースで進行している。