本作最大の衝撃であり、視聴者の涙を絞り出したのが第8話以降に隠された悠貴の死です。
旅の途中、東京タワーが倒壊する現場に居合わせた一行。悠貴は未来を庇って瓦礫の下敷きになりかけ、頭部に強い衝撃を受けます。その直後は気丈に振る舞っていたものの、港北区の救護病院に到着した直後、悠貴は突如として倒れ、意識不明の重体に陥りました。
緊急手術が行われる中、未来は病院の廊下で「悠貴が息を引き取った」と医師から告げられる悪夢を見ます。しかし直後、病室から元気に歩いて出てきた悠貴と再会したことで、未来は「弟は無事だった」と信じ込み、再び歩みを進めます。
だが、これは弟を失った耐え難い現実から心を守るため、未来の精神が生み出した解離性障害による幻覚でした。実際には、悠貴は病院で帰らぬ人となっていました。死因は、倒壊事故の際に負った頭部外傷(急性硬膜下血腫や脳挫傷)に加え、猛暑下の極度の疲労や脱水症状、クラッシュ症候群の合併による多臓器不全と考えられています。
第8話以降の描写を注意深く見返すと、数々の伏線が張り巡らされています。
- 悠貴のリュックを未来が代わりに背負い続けている
- 悠貴が食べ物や水を口にするシーンが一切なくなる
- 通行人や真理が、悠貴ではなく未来一人だけに視線を向けたり声をかけたりしている
- 悠貴の影が描かれていないカットが存在する
真理は悠貴の死という残酷な真実を把握しながらも、精神的に限界を迎えていた未来を気遣い、静かに寄り添い続けていたのです。世田谷の自宅に帰り着き、母親と対面した瞬間、未来はようやく悠貴の不在という現実に直面し、号泣します。