このエピソードを語る上で絶対に外せないのが、主題歌である米津玄師の『Lemon』が流れるタイミングだ。演出を担当した塚原あゆ子監督の手腕が冴え渡り、ドラマ史に残る劇的な演出を生み出した。
「夢ならばどれほどよかったでしょう」――その切ない歌い出しが重なるのは、真相を知った鈴木が、犯人への憎悪と果歩を失った底なしの悲しみに打ちひしがれるクライマックスだ。降りしきる雪の中、溢れ出る涙とともに叫ぶ青年の姿に、視聴者の感情は一気に決壊する。音楽が単なる背景音ではなく、登場人物の悲鳴そのものとして響く奇跡的な演出だった。