原生林が深く茂る知床国立公園の山麓、羅臼町のチライカリベツ川沿い。ここは、世界的な希少種であるシマフクロウが生息する限られた楽園だ。アイヌ語で「コタンコロカムイ(集落を護る神)」と敬われてきたこの鳥は、今や道内にわずか200羽ほどしか生存していないとされる。過酷な冬の知床において、凍てつく川面を吹き抜ける風の中、堂々とした体躯で樹上に佇む姿は見る者を圧倒する。
この地を訪れる人々を魅了してやまないのが、宿の目の前に設置された生け簀に飛来するシマフクロウのダイナミックな採餌行動だ。ライトに照らされた水面を一筋の影が切り裂き、鋭い爪で水中の魚を一瞬にして掴み上げる。その力強さと美しさは、一度体験したら生涯忘れることができないインパクトを心に刻み込む。