イカルのさえずりを観察・録音する上で最も重要なのが、鳴く時期(季節)と一日の時間帯の把握です。年間を通じた活動サイクルを知ることで、遭遇率は格段に跳ね上がります。
イカルが美しいさえずりを最も活発に響かせるのは、3月上旬から6月下旬にかけての繁殖期です。3月の雪解けとともに囀り始め、新緑が深まる5月にピークを迎えます。秋から冬(10月〜2月)にかけては群れを形成して里山や低地の平野部、都市公園の雑木林へ降りてきますが、この時期は主に地鳴きが中心となり、長いフレーズのさえずりは基本的に聞かれません。
また、1日のうちで最もさえずりが盛んになるのは早朝の日の出直後から午前8時頃までです。夜明けの澄んだ空気の中で、高い落葉樹の梢(トップキャノピー)にとまり、胸を張って日光を浴びながら鳴く姿が多く見られます。午前10時を過ぎると採餌行動のために樹冠から林床や藪の中へ移動し、鳴き声の頻度は徐々に低下します。