テレビ本編完結後もファンの熱狂は冷めやらず、その声に応える形で制作されたのがVシネマ『ドライブサーガ 仮面ライダーマッハ/仮面ライダーハート』(2016年)でした。2号ライダーが単独名義でスピンオフの主役を飾る事例は当時としても異例の待遇であり、詩島剛というキャラクターの人気がいかに突出していたかを証明しています。
SNSや当時のレビューコミュニティ(5ch、映画レビューサイト等)の反応を検証すると、このスピンオフ作品は「本編の真の完結編」として極めて高い評価を受けました。蛮野を倒してもなお消えない罪悪感、チェイスの残した思い、そして自らが背負った業との完全な決着――。稲葉友が劇中で見せた陰影のある表情と、新フォーム「仮面ライダーマッハチェイサー」への変身シーンは、ファンの期待を完璧に超えるカタルシスを生み出しました。
「剛の物語を中途半端に終わらせたくない」という制作陣と稲葉自身の執念が合致した結果、本編のサイドストーリーにとどまらない、一人の青年の精神的救済を描いた名作として語り継がれることになったのです。