海外へ出かけた際、現地の非常口標識に違和感を覚えた経験はないだろうか。アメリカでは長らく、赤文字で「EXIT」と書かれたテキスト看板が主流だった。赤は警告の色であるため視覚的インパクトは大きいが、炎の赤と同化して見づらいという欠点や、英語が読めない旅行者には伝わらないという言語壁が存在した。しかし近年のISO規格の浸透により、欧州やアジア圏はもちろん、北米でも「緑の走る人」への置き換えが加速度的に進んでいる。
文字を削ぎ落とし、国境や文化、言語の壁を軽々と飛び越えて意図を伝えるピクトグラム。1964年の東京オリンピックで花開き、非常口標識で世界基準となった日本の「視覚デザイン文化」は、2026年の今日においても形を変えながら世界中の人々の生命を守り続けている。次に街中や旅先で緑のマークを見かけたときは、その足元に秘められた幾重もの科学と歴史の物語に、そっと思いを馳せてみてほしい。 (出典: 非常口 マーク(Yahoo!ニュース))
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